ドライバーがすぐ辞める本当の理由、知ってますか?
運送業界でよく起きていることを、元現場28年が正直に書きます
「給料、悪くないのになんで?」って思ってる経営者・管理職の方、多いと思います。
わたしは28年、現場にいました。
だから正直に言います。辞める理由は、給料じゃないことがほとんどです。
運送業界でよく起きていることを、現場目線でまとめます。
「うちは大丈夫」と思っている会社ほど、一度確認してみてください。
運送業界でよくある「辞める理由」6つ
現場にいると、こういうケースを何度も見てきました。
| よくあること | どういうことか(わかりやすく) | 結果 |
|---|---|---|
| 休息時間のルールを守らない | 2024年4月の法改正で、勤務終了後は9時間以上の休息が義務になった(努力目標は11時間)。それ以前も8時間が義務だったが、守れていない会社は多かった。睡眠3〜4時間が続くと、体が先に限界を迎える。 | 離職につながる |
| 点呼が形だけになっている | 出発前に体調・アルコールを確認する点呼は、法律上の義務。「ハンコだけ押せばいい」「時間がないから省略」という会社は、ドライバーから見て「信用できない会社」になる。 | 信頼を失う |
| 配車に「えこひいき」がある | 配車担当者の好き嫌いで仕事が割り振られる会社がある。楽な仕事は仲のいい人だけ、きつい仕事は特定の人へ。これはじわじわ効く。バレるまでに時間はかからない。 | 不満が蓄積する |
| 横乗り期間の先輩が合わない | 新人は最初しばらく先輩と一緒に乗って仕事を覚える(横乗り)。「誰でもいい」と適当に担当を決めると、先輩がきつい人だったときに「この仕事、向いてないかも」ってなって辞める。最初の印象は全てに影響する。 | 早期離職 |
| サービス残業が常態化している | 積み場が「早い者勝ち」の会社では、始業1〜2時間前から出てくるのが当たり前になりがち。これは全部タダ働き。「みんなそうしてるから」という空気が、じわじわ人を追い詰める。 | 体力・意欲が削れる |
| 問題を指摘すると「昔からそう」で終わる | 「他もみんなそうだから」「昔からこうだから」。この一言で思考停止している会社がある。変えたい人間は、変える気のない会社には残らない。 | 改善意欲のある人から辞める |
「5時出勤って書いてあるのに、4時には出ないといけない雰囲気がある。
積み場が早い者勝ちだから、並んだ順番で仕事が全然変わってくる。
誰も文句を言わない。言えない空気がある。」
こういう声、現場では珍しくありません。
給料より先に「ここ大丈夫か?」が判断基準になっている
今のドライバーは求人票をよく読みます。でもそれより先に、「この会社、大丈夫か?」をSNSや知人経由で確認する。
特に湘南・神奈川エリアは物流会社が多く、ドライバーは選べる立場です。給料が多少低くても「ちゃんとしてる会社」を選ぶ人が増えています。
「あそこ、点呼ちゃんとやってないらしい」
「配車が不公平って聞いた」
「残業代でないって先輩が言ってた」
こういう話は、ドライバー同士で1週間もあれば広まります。
求人費用をかける前に、まず「言われていること」を確認してみてください。
ドライバーが求人票より先に確認していること
給料の数字より先に、こういうことを確認している人が多いです。
- ✔ 休みはちゃんと取れるか
- ✔ 上司が怒鳴ったり、高圧的な職場じゃないか
- ✔ 拘束時間が長すぎないか(サービス残業がないか)
- ✔ 未経験でも丁寧に教えてもらえるか
- ✔ 車両が古すぎないか(整備されているか)
- ✔ 人間関係がギスギスしていないか
- ✔ 点呼や法令がちゃんと守られているか
じゃあ何をすればいいか。答えは地味です。
派手な施策は要りません。基本をちゃんとやるだけで、かなり変わります。
| やること | なぜ大事か |
|---|---|
| 点呼を毎回ちゃんとやる | 「この会社ちゃんとしてる」という第一印象になる。義務でもあるし、信頼の積み重ねでもある。 |
| 休息期間9時間を守る ※2024年4月改正後の基準 |
以前は8時間だったが2024年4月の法改正で9時間(努力目標11時間)に強化。守れていない会社は「ここにいると体壊す」と思われる。 |
| 配車は公平にする | 好き嫌いで変えるとすぐバレる。配車担当者の「人格」が、そのまま会社の評判になる。 |
| 横乗り担当者を選ぶ | 新人の定着率は横乗りの先輩で8割決まると思っている。「誰でもいい」は一番危険な判断。 |
| サービス残業をなくす | 「早く出ないといけない空気」をなくすだけで体感の拘束時間が大きく変わる。積み場の運用見直しも含めて考える価値あり。 |
| ドラレコだけで責めない | 映像を見せて一方的に責めるだけではドライバーは萎縮する。話を聞いてから判断する姿勢が「相談できる会社」の空気をつくる。 |
これ、全部コストゼロでできることです。
制度より先に、空気感が人を引き留めます。
採用より先に「残る会社」になる
採用コストを下げる一番の方法は、辞めにくい会社をつくることです。求人費用より、定着率のほうが経営に直結します。
- ✔ 離職理由を把握していますか?(退職した人に本音を聞いたことがあるか)
- ✔ 新人ドライバーのフォロー体制はありますか?
- ✔ 休日・拘束時間を数字で管理できていますか?
この3つが曖昧なまま求人を増やしても、バケツに穴が空いた状態です。
現場28年チェックポイント
- 出発時刻の1〜2時間前に来てる人がいないか(サービス残業のサイン)
- 点呼が「ハンコだけ」「形だけ」になっていないか
- 横乗り担当が「誰でもいい」とされていないか
- 退職したドライバーに、辞めた本当の理由を聞いたことがあるか
- 配車担当者が「感謝される存在」か「恐れられる存在」か
- 「うちの会社のいいところ」をドライバー本人が言えるか
- 入社3ヶ月以内の離職が続いていないか
採用費用をかける前に、「今いる人が辞めない会社」にする方が、圧倒的に安くて早いです。
求人票は「入り口」に過ぎません。
現場の空気が変わると、人は残ります。
運送業界で28年、現場で見てきたからこそ言えることです。