「リサイクルショップで買ったおもちゃをフリマで売ったら、古物商許可が必要だった?」——そう不安になる人は多い。結論から言うと、自分や家族が使うために買ったものを売るなら許可は不要です。でも「運送業で独立しながら中古品売買もやりたい」と考えているなら、話はちょっと変わってきます。現場経験28年の行政書士が、ごちゃごちゃした法律の話をざっくり整理します。
そもそも古物商許可って何のための制度?
古物商許可は「盗品が市場に流通するのを防ぐ」ための制度です。警察が管轄していて、中古品を反復継続して売買・交換する「営業」を行う場合に必要になります。
ここで大事なのが「業者かどうか」ではなく、「どういう目的で取得したか」「反復継続しているか」などを総合的に見て判断されるという点。これを勘違いしている人が非常に多い。
「個人だから許可は要らない」は間違いです。運転免許と同じで、業者かどうかに関係なく、中古品を仕入れて転売することを反復継続してやるなら許可が必要です。「業者じゃないから無免許運転してもいい」とはならないのと同じ話。
フリマ4つのケース、許可は必要?不要?
よくある4つのパターンで判断してみましょう。
子どもが遊んで使い終わったあとにフリマで売却
→ 許可不要。自分(家族)が使用するために買ったものを、不要になって売る。これは「自己使用後の処分」なので古物商許可は必要ありません。売却額が購入額より高くても関係なし。
子どもがあまり使わずしまったままのものを後日売却
→ 許可不要。使わなかったとしても「自分の家族のために買った」という目的は変わらない。最初から転売目的で買ったわけではないので、処分としての売却は許可不要です。
自分のコレクションとして飾っていたものを後日売却
→ 許可不要。コレクションとして所有していたものを手放す行為も「自己使用目的で買ったものの処分」に該当します。何年経ってから売っても同様。
ジャンク品セットから欲しいものを抜いて残りをフリマで売却
→ グレーゾーン。要注意。直ちに違法とは限りませんが、反復継続して行うと「転売目的の仕入れ」と判断されるリスクがあります。同じことを繰り返すようであれば、古物商許可の取得を検討すべきケースです。
「運送業で独立×中古品売買」は許可の組み合わせに注意
ここからが本題。運送業で独立を考えている人が「白ナンバーで稼ぎながら資金を貯めたい」と考えたとき、中古品売買は、白ナンバーでも比較的取り組みやすい収益化手段のひとつです(白ナンバーと運送業の関係についてはこちら)。
ただしこの場合、古物商許可が必要になります。
| やること | 必要な許可・届出 | 管轄 |
|---|---|---|
| 中古品を仕入れて転売する | 古物商許可(必要) | 都道府県警察 |
| 自分の商品を自分で運ぶ(白ナンバー) | 不要(運賃を取らなければ) | — |
| 他人の荷物を有償で運ぶ(軽貨物) | 黒ナンバー届出(必要) | 運輸支局 |
| 他人の荷物を有償で運ぶ(普通車以上) | 一般貨物自動車運送事業許可(必要) | 地方運輸局 |
古物商許可の取得はそこまで難しくない
古物商許可は運送業の許可と比べると、取得のハードルはかなり低めです。
申請先は居住地(営業所所在地)を管轄する警察署
運輸局ではなく警察署に申請します。営業所が決まっていれば、その所在地を管轄する警察署の生活安全課へ。
申請から許可までは概ね40日程度。申請手数料は19,000円
一般貨物自動車運送事業と比べると、必要資金や許可要件のハードルは比較的低めです。なお住民票・身分証明書取得費用や行政書士報酬は別途発生します。
欠格事由に該当しなければ基本的に取得できる
破産者・犯罪歴(一部)・未成年などの欠格事由がなければ、要件を満たした申請書類を出せば許可が下ります。
現場28年が見てきた「許可なし転売」の末路
「バレなければいい」と思って無許可で中古品転売を続けた結果、フリマアプリの取引履歴が警察の捜査で掘り起こされたケースは実際にあります。無許可営業は古物営業法違反となり、刑事罰の対象になる可能性があります。また許可審査に影響する可能性もあるため、独立を考えているなら特に注意が必要です。
運送業専門の行政書士があなたのプランに合わせて、必要な許可を一緒に確認します。
