運送業許可の5年更新制度とは?施行時期・審査内容・対応策を行政書士が解説【2026年最新】

運送業許可の5年更新制度とは?施行時期・審査内容・対応策を行政書士が解説【2026年最新】

2026年7月20日

行政書士あおばと合同事務所 代表行政書士 横山輝明

横山 輝明 行政書士あおばと合同事務所 代表

現場経験28年|運送業許可・巡回指導対策

神奈川県大磯町在住・東京都中野区事務所|首都圏即対応・ 全国対応可

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※2026年7月時点の情報をもとに更新しています。

横山輝明です。

以前は「運送業の許可が5年更新になるかもしれない」と言われていましたが、現在は貨物自動車運送事業法の改正により、トラック運送事業の許可について5年ごとの更新制度が導入されることになっています。制度の詳細は、今後、省令等で定められる予定です。

今日は、この話を聞いて自分が思ったことを、できるだけ丁寧に書いてみます。

🚛 現場経験28年からひとこと

水道工事13年、古紙回収8年、危険物輸送7年。どの現場も、毎日の積み重ねがすべてでした。手を抜いた日は、必ずどこかでツケが回ってくる。これは運送業も同じだと思っています。

なぜ今、この改正が行われたのか

運送業の許可は、これまで一度取得すると、重大な法令違反などによる取消し等がない限り、基本的には継続して事業を行うことができる仕組みでした。

今回の改正では、トラック運送事業の許可について、5年ごとの更新制度が導入されることになりました。国土交通省の資料では、更新制度の導入に加え、法令遵守、社会保険料の納付、適正原価の収受などが重要な要素として示されています。

私自身は、この背景には、安全管理や法令遵守の実効性をさらに高める必要性があるのではないかと考えています。労働時間の管理、点呼、車両の点検整備、健康管理などは、どれも日々の積み重ねです。こうした基本が崩れると、事故やトラブルにつながり、業界全体の信頼にも影響します。

物流は日本経済を支える社会インフラです。ただ荷物を運ぶだけではなく、社会の血液として経済を回している仕事です。だからこそ、その担い手には相応の責任が求められる。今回の改正は、その責任を改めて確認する制度でもあると受け止めています。

「資格」から「信任」へ

5年更新になれば、単に「5年ごとに書類を出す手間が増える」というだけの話ではないと思っています。

今までの許可は、いわば「資格」に近いものでした。一度取得すれば、大きな違反がない限り持ち続けられる。しかし5年更新になると、これは「信任」に近くなります。

国土交通省の資料では、許可基準に「法令の規定を遵守して事業を遂行することが見込まれること」が追加されること、また、輸送の安全確保、社会保険料の納付、適正原価の収受をはじめ、法令を遵守しない場合は更新がなされないことが示されています。

厳しい制度だと思います。ただ、必要な厳しさでもあると思っています。スーパーに並ぶ食品も、通販で届く荷物も、工場の材料も、すべて誰かが運んでいます。それだけ社会に欠かせない仕事だからこそ、安全と法令遵守が求められるのは当然だと思うからです。

更新は5年後ではなく、今日から始まる

この制度が施行されたとき、「5年後に慌てて準備すればいい」と考えるのは危ないと思います。更新で見られるのは、その5年間、日々どのように事業を運営してきたかだからです。

法令遵守は、一日でできるものではありません。労働時間の管理、点呼の実施、車両の点検整備、健康診断、運行記録の保管。どれも、毎日コツコツ積み重ねるものです。

直前になって帳簿だけ整えようとしても、実態が伴っていなければ、いずれどこかで矛盾が出ます。書類は大切ですが、書類だけでは会社は守れません。日々の運用こそが、最終的に会社を守るのだと思います。

🕊 今から始められること

  • 点呼記録が「形だけ」になっていないか見直す
  • 労働時間の管理が、実態と記録でズレていないか確認する
  • 車両の点検整備を後回しにしていないか確認する
  • 健康診断の受診状況を一覧で把握する
  • 運行記録の保管ルールが社内で徹底されているか確認する

コンプライアンスは「コスト」ではなく「投資」

「そんなに厳しくされたら、小さい会社はやっていけない」という声もあると思います。確かに、法令を守るには手間もお金もかかります。人を増やす必要が出るかもしれませんし、車両整備にも費用がかかります。

でも、これは単なるコストではなく、会社を守るための投資だと自分は思っています。

ドライバーが安心して働ける環境があれば、人は定着しやすくなります。人が定着すれば、採用や教育にかかる負担も減ります。事故が減れば、保険料や修理費の負担も抑えられます。何より、荷主や社会からの信頼が積み上がります。

逆に、目先のコストだけを削り、法令遵守を軽く考えている会社は、長い目で見ると大きなリスクを抱えることになります。真面目にコンプライアンスに取り組む会社ほど、時間はかかっても、最終的には強い会社になっていく。これは、現場にいた頃から肌で感じていたことです。

他の業界にも似た仕組みがある

定期的な更新制度は、他の許認可業界にもあります。建設業許可や宅地建物取引業免許なども、一定期間ごとの更新制度が設けられています。

これらの業界に共通しているのは、人の命や暮らしに関わる仕事だからこそ、一度取得した許可や免許に安住させないという考え方です。

運送業も、人の命と暮らしに直結する仕事です。荷物を安全に運ぶことはもちろん、道路を使う以上、他の交通参加者の安全にも関わります。そう考えると、今回の更新制度は、業界全体の信頼を高めるための仕組みとも言えるのではないかと思います。

ドライバーの地位を上げるチャンスにもなる

運送業は、長時間労働、人手不足、社会的評価の低さなど、長年さまざまな課題を抱えてきました。5年更新制度は、この状況を変えるきっかけになるかもしれないと考えています。

法令を守り、労働環境を整えている会社が正当に評価されるようになれば、業界全体の水準は上がります。若い人が運送業を敬遠する理由の一つには、「きつい仕事」というイメージもあると思います。

しかし、本来、物流は社会を支える大切な仕事です。もっと尊敬されていい仕事です。

もし5年更新制度をきっかけに、「運送業界はきちんとしている」「ドライバーが大切にされている」というイメージが広がれば、若い人材も入りやすくなるはずです。そして人が集まれば、業界はさらに強くなります。

正直に言うと、まだ実績は少ないです

自分は行政書士として、運送業専門の支援をしています。ただ正直に言うと、この道を歩き始めたばかりで、まだ多くの実績があるわけではありません。

でも、だからこそ言えることもあります。自分には28年間の現場経験があります。水道工事、古紙回収、危険物輸送。どの現場でも、何が大変で、どこに落とし穴があるか、体で知っています。

条文だけを知っている専門家とは違う立ち位置で、経営者の方と同じ目線で話ができると思っています。

この制度が施行されれば、多くの経営者の方が不安を感じると思います。「うちは大丈夫だろうか」「何から手をつければいいんだろう」と。そんなとき、現場を知っている人間として、少しでも力になりたいと思っています。

実績はこれからです。でも、一つ一つの相談に、真剣に向き合う覚悟だけはあります。

最後に

現時点では、貨物自動車運送事業法の改正により、トラック運送事業の許可について5年ごとの更新制度が導入されることが示されています。具体的な運用や詳細な審査基準については、今後の省令等で定められる予定です。

ただ、施行を待つかどうかに関わらず、「許可を取ることがゴール」ではなく、「許可を取ってからが本当のスタート」だという考え方は、今のうちから持っておいた方がよいと思っています。

法令を守ることは、お役所のためではありません。ドライバーの命を守るため、荷主の信頼に応えるため、そして社会全体の安全を守るためです。

物流は社会の血液です。その血液が安全に流れ続けるために、自分もこれから、現場で見てきたことを活かしながら、この業界の役に立ちたいと思っています。

参考資料

国土交通省「トラック適正化二法について」

https://www.mlit.go.jp/jidosha/jidosha_mn4_000019.html

国土交通省資料「貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律」

https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/001992449.pdf

※本記事は、国土交通省が公表している令和7年改正貨物自動車運送事業法等に関する資料を踏まえて執筆しています。制度の詳細は今後変更・追加される可能性がありますので、最新情報は必ず国土交通省等の公式情報をご確認ください。

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