運送業界出身の行政書士が解説
「デイサービスの送迎って
二種免許いるの?いらないの?」
求人票を見ていると「普通二種免許必須」と書いてあるデイサービスや幼稚園バス、ロケバスの仕事があります。でも「法律的に本当に必要なの?」と疑問に思った方も多いはず。答えは「法律上は必ずしも必要ではないけど、企業の判断で求めているケースが多い」です。ここをちゃんと整理します。
そもそも二種免許が必要な場面とは?
道路交通法第85条第2項では、「旅客自動車運送事業の用に供する自動車(事業用車両・緑ナンバー)」の運転に二種免許が必要とされています。
もっと簡単に言うと、
事業用車両(緑ナンバー)で旅客運送を行う場合→ 原則として二種免許が必要になります
施設が自家用車(白ナンバー)で送迎する場合→ 一般的には一種免許で運用されているケースが多い
デイサービスや幼稚園バスの送迎は、白ナンバーの自家用車で運行しているケースが多く、一般的な施設送迎では一種免許で運用されているケースも多くあります。ただし実際の取扱いは個別事情による判断になります。
じゃあなぜ求人で二種免許を求めるの?
これは法律の問題ではなく、雇い主の判断・方針です。
「お客様を運ぶ仕事だから」という考え方
高齢者・子ども・VIPを運ぶ仕事だからこそ、より高い運転技術と接客意識を持った人に任せたい。二種免許はその「基準」として使われています。
万が一の事故リスクを下げたい
二種免許の取得には追加の試験・講習があります。それをクリアした人材を選ぶことで、事故リスクを下げようという企業側の意図があります。
「過剰スペック」な要求もある
中型バスしか運行しないのに大型二種を求めたり、連接バスしか運用しないのにけん引二種を求めるケースも実際にあります。実際の業務内容に対して高めの資格条件を設定しているケースですが、求人条件の設定は企業の判断によります。
⚠️ ここ大事:有償旅客運送は別の話
「じゃあ二種免許があれば有料で人を運べるの?」という質問をよく受けます。答えはNOです。
有償で旅客を運ぶには、二種免許だけでなく「有償旅客運送事業の許可」と「事業用ナンバー(緑ナンバー)」が必要です。この許可なしに対価をもらって人を運ぶと、二種免許を持っていても白タク行為として処罰されます。
許可を取得するのは非常に手間がかかるため、多くのデイサービスや施設は「送迎費用を別途徴収しない」か「タクシー会社などに外注する」という方法をとっています。
「夜間店舗の従業員送迎は二種免許いるの?」
これも同じ考え方です。判断基準は「誰を運ぶか」ではなく「事業用か自家用か」です。
お店が自社の白ナンバー車で無償送迎する → 自家輸送として運用されているケースが多い
緑ナンバー車で対価をもらって送迎する → 原則として二種免許+事業許可が必要になります
ホテル・旅館・料亭・自動車教習所・工場の従業員送迎なども同じ考え方です。「自家輸送」として白ナンバーで行っているのはこのためです。ただし実際の取扱いは個別事情によるため、不明な場合は専門家への確認をおすすめします。
🔍 現場28年チェックポイント
免許と許可はよく混同されます。「二種免許があれば何でもできる」と思っている人は現場でも結構いました。でも実際は免許と事業許可はまったく別の話です。
免許は「運転できる資格」、許可は「事業をできる資格」。この2つはセットで考えないといけません。
まとめ
法律上の話:緑ナンバーの事業用車両で旅客運送を行う場合は、原則として二種免許が必要。白ナンバーの施設送迎は一種免許で運用されているケースも多い。
企業判断の話:「お客様を運ぶ仕事だから」という理由で二種免許を求める会社は多い。これは企業の判断によるもの。
有償旅客の話:有償で旅客を運ぶなら、原則として二種免許・事業許可・事業用車両などが必要になります。個別の状況によって判断が異なるため、不明な場合は早めに確認することをおすすめします。
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