「神奈川で運送業の許可を取りたいんだけど、車庫ってどこでもいいの?」
よく聞かれます。答えは 「どこでもよくない」 です。
場所を間違えると許可が通らないどころか、せっかく借りた車庫が全部ムダになります。
実際の申請代行・許可申請の現場では、車庫の選定ミスが一番多いトラブルです。現場経験28年・運送業許可申請代行専門の行政書士が、使える話をします。
📋 この記事の目次
水道工事13年・古紙回収8年・危険物輸送7年、現場経験28年。
現場で28年間、実際にトラックを動かしてきた。だから、法律の条文だけでなく、現場でどう問題が起きるかがわかる行政書士でいられると思っています。運送業許可申請代行・変更届・巡回指導対策を専門に扱う。神奈川県在住。関東運輸局・神奈川運輸支局管轄エリア全域対応。
① 車庫に関する「3つの大原則」
一般貨物自動車運送事業の許可申請(運送業許可申請代行)を進めるとき、車庫についてはざっくり3つのルールがあります。
1. 原則は営業所への「併設または近接」
原則として、車庫は営業所に併設または近接している必要があります。やむを得ず離れた場所に設置する場合は、平成3年運輸省告示第340号の基準の範囲内でなければなりません。関東運輸局管内では、この告示に基づき実務上営業所から直線10km以内(東京都特別区・横浜市・川崎市は20km以内)が基準として運用されています。
平成3年6月25日 運輸省告示第340号(一般貨物自動車運送事業の許可申請に係る車庫の距離基準)
※営業所・車庫要件の最終判断は、関東運輸局および関係自治体の個別審査によります。
⚠️ よくある誤解:「10kmって余裕じゃん」と感覚で決めて契約したら基準を超えていた、という話は実際にあります。東京都特別区・横浜市・川崎市は20km以内と基準が異なる点も見落としがちです。かならず申請前に距離を計測してください。
2. 市街化調整区域は「個別確認」が必要
市街化調整区域では土地利用に制限があるため、車庫として使用できるかどうか個別の確認が必要です。農地・山林はそのままでは車庫利用が難しいケースが多く、農地転用や開発許可等の手続きが必要になる場合があります。土地の種別(農地・雑種地・既存宅地など)や市町村の運用によって扱いが異なるため、「安いから」という理由だけで借りると後悔します。
3. 前面道路は「車両制限令等」に適合していること
前面道路については、車両制限令や道路交通規制等に適合し、申請車両が安全に通行・転回できる必要があります。大型トレーラーなら当然広い道が必要ですし、4tトラックでも前面道路が狭すぎると切り返しができずアウト。地図だけで判断せず、現地で確認してください。
- 原則は営業所に併設または近接。離れる場合は告示第340号の範囲内(関東運輸局管内:直線10km以内、東京都特別区・横浜市・川崎市は20km以内)
- 市街化調整区域は土地種別ごとに個別確認してから契約(農地・山林は要注意)
- 前面道路が車両制限令等に適合していること(現地実測必須)
② Googleマップで直線距離を測る方法
「直線距離10km以内」の確認は、Googleマップのルート検索ではなく距離測定機能を使います。申請代行を依頼する前に、ご自身でも必ず確認してください。
私は神奈川県内に住んでいるので、県内の道路事情はそれなりに肌感覚があります。「地図で見ると広そうな道」が実際に走ってみると全然違う、なんてことは日常茶飯事です。Googleマップの距離測定で基準内を確認してから現地を見る、この順番でやってください。
③ 神奈川特有の注意点
「神奈川ならどこでもだいたい同じでしょ」と思ってる方、ちょっと待ってください。神奈川は地形と都市構造が独特なので、エリアによって状況がかなり変わります。関東運輸局・神奈川運輸支局管轄での申請代行の現場でも、エリアごとに引っかかりポイントが違います。
工業地帯と住宅地が混在→用途地域の確認が必須
工業地域・準工業地域なら車庫用途はほぼ問題なし。第一種・第二種低層住居専用地域などは営業所用途に制限がかかる場合があるため要注意。臨港部は港湾法の規制が絡むケースも。なお東京都特別区・横浜市・川崎市は車庫の距離基準が20km以内と広いため、営業所との距離は比較的融通が利きます。
内陸工業エリア→比較的借りやすいが調整区域に要注意
インター周辺は物流施設が多く車庫用地も豊富。ただし相模原市の一部は調整区域が広がっており、安い土地=調整区域のケースが多い。「安すぎる車庫」は理由を確認してください。
中間エリア→賃料安め、物件の選択肢もある
東名・新東名へのアクセスも悪くなく、賃料は都市部より抑えられます。許可後の実際の営業エリアを見据えて選ぶと◎。
地価は安め、ただし物件数は少ない
国道1号・134号沿いに実績のある物件が点在していますが、選択肢は都市部より限られます。不動産屋に早めに相談を。私自身もこのエリアで生活しているので、西湘の道路事情は人一倍わかります。
丘陵地形が多い→前面道路と傾斜に特に注意
坂が多いエリアです。見た目はスペースがあっても傾斜があって車両を安全に駐車できないケースもあります。現地確認は必須。
④ エリア別・おすすめの考え方
| エリア | メリット | 注意点 |
|---|---|---|
| 厚木・海老名・座間 | 東名・圏央道アクセス良好。物件多め | 人気エリアのため賃料は上昇傾向 |
| 相模原(国道16号沿い) | 広めの土地が確保しやすい | 調整区域が広い。用途地域確認必須 |
| 平塚・伊勢原 | 賃料比較的安め。物件探しやすい | 東京方面への距離を考慮 |
| 川崎(臨海部除く) | 首都高アクセス抜群。車庫距離基準20km以内と広い | 賃料高め。土地が狭い物件も多い |
| 横浜(工業・準工業地域) | 物件の選択肢多い。距離基準20km以内 | 住居系用途地域は営業所制限あり |
| 小田原・西湘 | 地価安め。静岡方面も視野に入る | 物件数が少ない。早めに動くこと |
⑤ 車庫を借りる前の現地チェックリスト
不動産屋から物件を紹介されたら、申請代行を依頼する前に、まず自分で現地を確認してください。契約後に「使えなかった」は本当に洒落にならないです。
- 前面道路の幅員を巻き尺で実測(地図の幅員表示は古い場合あり)
- 大型車が実際に切り返せるか、動線を歩いて確認する
- 前面道路が車両制限令・道路交通規制等に適合しているか
- 水はけ・地面の状態(泥濘化すると車両が沈む)
- 隣接地との境界が明確か(フェンス・杭の確認)
- 用途地域を市区町村の窓口またはオンライン地図で確認(住居系地域は営業所に制限あり)
- 市街化調整区域でないかを確認(土地種別・地目も確認)
- 営業所候補地との直線距離をGoogleマップで測定(一般10km以内・東京都特別区・横浜市・川崎市は20km以内)
- 土地の賃貸借契約が「車庫利用可」と明記されているか
このチェックリスト、申請代行の行政書士として作りましたが、元はただのドライバー目線です。「こんな道、うちのトラック無理だろ」「この地面、雨降ったら沈むな」——現場でずっとそういうことを考えてきた。だから書類を見る前に現場を見る。それが私のやり方です。
⑥ 現場28年が教える「車庫選びの失敗パターン」
現場経験28年のなかで「これはまずい」と感じてきた状況があります。実際に起きうるパターンとして、参考にしてください。
📍 パターン①:調整区域の安い土地を即決
「相場の半額で借りられた!」と喜んで契約したら市街化調整区域の農地だった、というケースです。農地転用の手続きが必要になり、数ヶ月と追加費用が発生します。許可申請もその間進みません。安さには必ず理由があります。契約前に用途を確認してください。
📍 パターン②:距離を感覚で判断して契約
「10kmはあるだろう」と感覚で判断して先に契約してしまうケースです。関東運輸局管内では直線距離が基準になるため、実際に測ったら基準を超えていた、となると車庫を取り直すことになります。感覚で決めない、必ずGoogleマップで計測してから契約してください。
📍 パターン③:前面道路を地図だけで確認
私が現場を走っていた頃から感じていたことですが、「地図では広く見えるのに実際は狭い」道は神奈川県内にたくさんあります。前面道路が車両制限令等に適合していない場合、許可が通りません。地図だけで判断せず、必ず現地で動線を歩いて確認してください。
これらは全部「現地に行けば防げた」話です。私が28年間、現場で叩き込まれたのは「自分の目で確かめる」ということです。書類や地図だけで判断する癖がついている方は、車庫選びの前に一度現地に足を運んでください。それだけで防げることが山ほどあります。
関東運輸局管内では、平成3年運輸省告示第340号に基づき、営業所と車庫の距離は実務上直線10km以内(東京都特別区・横浜市・川崎市は20km以内)を基準として運用されています。
※営業所・車庫要件の最終判断は、関東運輸局および関係自治体の個別審査によります。
⑦ よくある質問
取れる場合があります。ただし申請では申請する車両分のスペースを排他的に使用できることが必要です。共用スペースや「一応確保できる」程度では認められないことがあります。賃貸借契約書の記載内容も重要になるため、申請代行を依頼する前に契約書を確認してもらうことをおすすめします。
要件を満たせば可能です。ただし第一種・第二種低層住居専用地域などでは営業所用途に制限がかかる場合があります。また自宅が賃貸の場合は貸主の許可が必要なケースも。用途地域の確認と賃貸契約書の確認を、申請代行の行政書士と一緒に進めてください。
絶対NGではありません。既存適法利用の建物がある場合や、雑種地としてすでに車庫的な利用実績がある場合は、追加手続きなく使えるケースもあります。ただし農地・山林はそのままでは難しいケースが多い。土地の現況・地目・利用実績によって判断が変わるため、「調整区域だから諦める」前に申請代行の行政書士に確認してください。
認められる場合はあります。ただし「車両の保管に適した構造」であることが求められます。ぬかるみが生じる状態では認められない可能性があり、転圧がしっかりされている砂利敷きなら通ったケースもあります。申請代行を依頼する前に、現地の写真を撮って行政書士に確認してもらうのが安心です。
本当です。東京都特別区・横浜市・川崎市については、平成3年運輸省告示第340号に基づき、実務上「直線20km以内」として運用されています。営業所がこれらのエリアにある場合は、車庫の選択肢が一般エリアより広くなります。申請代行の際には必ず確認してください。
⑧ まとめ
- 原則は営業所への併設または近接。離れる場合は告示第340号の範囲内(一般エリア直線10km以内・東京都特別区・横浜市・川崎市は20km以内)
- 市街化調整区域は土地種別ごとに個別確認してから契約(農地・山林は要手続き)
- 前面道路は車両制限令等に適合しているか現地で確認
- 住居系用途地域は営業所設置に制限がかかる場合あり
- 安すぎる物件は必ず理由を確認してから契約
- 実際の審査は関東運輸局・神奈川運輸支局管轄で行われる
- 申請代行を依頼する前に、車庫候補地の事前確認を専門家と進める
「車庫どこでもいいでしょ」と思って進めると、後から差し戻しや契約解除が起きます。申請代行は順番通りに進めるのが最短ルートです。
当事務所では「どの物件なら使えるか」の事前確認から申請代行まで対応しています。契約前に一度ご相談ください。
・平成3年6月25日 運輸省告示第340号(車庫の距離基準)
・関東運輸局「一般貨物自動車運送事業許可申請の手引き」
・車両制限令(前面道路の適合基準)
※実際の許可判断は、関東運輸局・神奈川運輸支局および関係自治体の個別審査によります。本記事は情報提供を目的としており、個別案件の法的判断については専門家にご相談ください。
📩 車庫候補地が決まる前でも申請代行の相談OK
「この物件どう思う?」「距離って大丈夫?」気軽に聞いてください。
LINEで聞いていただくのが一番早いです。

調整区域の扱いは市町村ごとに運用差が大きいです。「他の市でOKだったから」は通用しません。必ず管轄の市区町村窓口か、運送業許可申請代行に詳しい行政書士に事前確認を取ってください。契約後では取り返しがつきません。