運送業許可が不要なケースとは|自家用輸送・軽貨物・無償運送を行政書士が解説

運送業許可が不要なケースとは|自家用輸送・軽貨物・無償運送を行政書士が解説

行政書士あおばと合同事務所 代表行政書士 横山輝明

横山 輝明 行政書士あおばと合同事務所 代表

現場経験28年|運送業許可・巡回指導対策

神奈川県大磯町在住・東京都中野区事務所|首都圏即対応・ 全国対応可

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運送業許可が不要なケースとは|自家用輸送・軽貨物・無償運送を行政書士が解説

公開日:2026年7月20日|行政書士あおばと合同事務所|※本記事は一般的な情報提供を目的としています。個別の判断については専門家にご相談ください。

📌 この記事でわかること

・運送業許可が必要になる「3つの条件」
・許可が不要な代表的なケース
・グレーゾーンになりやすい判断の難しい場面
・「不要だと思っていたら違反だった」を防ぐポイント

「荷物を運ぶのに、必ず許可がいるのか」——こう聞かれることがあります。

答えは「場合による」です。運送業許可が必要かどうかは、何を・誰のために・どうやって・いくらで運ぶかによって変わります。

許可が必要なのに取得せず事業を始めてしまうと、貨物自動車運送事業法違反になります。逆に「許可が必要だと思い込んで」余計な手間とコストをかけるケースもある。どちらも避けるために、まず基本的な考え方を整理しておきましょう。

運送業許可が必要になる3つの条件

貨物自動車運送事業法では、次の3つがすべて揃ったときに「許可が必要な運送業」に該当するとされています。

許可が必要な運送とは

他人(荷主)の荷物を運ぶ
有償で(運賃を受け取って)運ぶ
普通自動車等を使って運ぶ

この3つがすべて当てはまる場合、原則として一般貨物自動車運送事業の許可が必要です。

なお、軽自動車・二輪自動車による有償貨物運送は、貨物軽自動車運送事業の届出制度が適用されます(一般貨物の許可とは別の手続きです)。

裏を返すと、この3つのどれか一つでも欠けていれば、許可が不要になる可能性があります。ただし、個別の事情によって判断が異なる場合がありますので、判断に迷う場合は専門家にご確認ください。

許可が不要な代表的なケース

① 自社の荷物を自社のトラックで運ぶ(自家用輸送)

自分の会社が製造・販売する商品を、自社のトラックで取引先に届ける場合は、一般的に運送業許可は不要とされています。「他人の荷物を運ぶ」という要件を満たさないためです。

たとえば食品メーカーが自社製品を卸先に届ける場合、建材会社が自社の建材を現場に運ぶ場合などが該当します。

⚠️ グループ会社間の輸送は注意

親会社と子会社、あるいは関連会社間であっても、会計上は別法人です。グループ会社の荷物を運んで運賃を受け取った場合、「他人の荷物を有償で運んだ」とみなされる可能性があります。契約関係や荷主との関係など個別事情により判断されますので、グループ内の輸送でも運賃のやりとりがある場合は個別に確認することをおすすめします。

② 無償で他人の荷物を運ぶ

知人の引越しを手伝う、災害時にボランティアで物資を運ぶ——こうした無償での輸送は、「有償」という条件を満たさないため、原則として許可は不要とされています。

⚠️ 「実質的な対価性」に注意

「運賃」という名目でなくても、燃料費だけであっても、実費精算なのか利益が乗っているのかで判断が変わります。燃料費の実費弁償・謝礼・人工代などの形で金銭を受け取っていると、実質的な対価性があるとみなされる場合があります。「無償のつもりだったが有償と判断された」というケースは実務上も存在します。判断が微妙な場合は専門家に確認することをおすすめします。

③ 軽自動車・125cc超バイクで有償輸送する

軽自動車や125cc超のバイクを使って有償で荷物を運ぶ場合、一般貨物自動車運送事業の許可は不要です。この場合は「貨物軽自動車運送事業」の届出のみで始められます(いわゆる黒ナンバー)。

近年急増した軽貨物の個人配送ドライバーの多くが、この届出制を使っています。許可と届出では手続きの手間もコストも大きく異なります。

グレーゾーン——判断が難しいケース

「不要だと思っていたら実は必要だった」というケースが実務では少なくありません。物流の現場で長く働いていると、「うちは回収した古紙を自社の資源として扱っているから許可は不要」という解釈を耳にすることがあります。確かに「自社の資源を運んでいる」という解釈も成り立ちますが、実際には契約内容や所有権の移転時期なども踏まえて判断されます。実態として荷主から回収料を受け取っているなら話は変わります。

「名目」ではなく「実態」で判断されると覚えておいてください。

ケース 許可の要否
グループ会社の荷物を運んで運賃を受け取る 原則、許可が必要な場合あり
「人工代」に輸送費が含まれている 実態により判断が分かれる
燃料費の実費弁償のみ受け取る 対価性の有無により判断が分かれる
回収した資源ごみ(古紙・金属等)を自社資産として運ぶ 契約内容・所有権の移転時期等による
産業廃棄物を有償で運ぶ 廃棄物処理法の許可が別途必要

軽貨物・バイク便は「届出」で始められる

軽自動車や125cc超のバイクを使った有償輸送は、一般貨物の「許可」ではなく「届出」のみで事業を始められます。これが貨物軽自動車運送事業です。

許可と届出の主な違い

項目 一般貨物(許可) 軽貨物(届出)
車両 普通・中型・大型トラック等 軽自動車・125cc超バイク
最低車両台数 5台以上 1台から可
手続き 許可申請(3〜6ヶ月) 届出のみ(比較的速やか)
ナンバー 緑ナンバー 黒ナンバー

「手軽に始められる」のが軽貨物の届出制のメリットですが、普通トラックを使う場合は対象外です。車両を間違えると無許可営業になりますので注意してください。

許可が必要かどうかの判断チェックリスト

✅ まずここを確認してください

□ 運ぶのは「他人の荷物」か?(自社製品・自社資産なら許可不要の可能性あり)
□ 運賃・報酬を受け取るか?(無償なら許可不要の可能性あり)
□ 使う車両は軽自動車・125cc超バイクか?(そうなら届出のみでよい可能性あり)
□ 産業廃棄物や旅客など、別の法令が適用される品目・形態ではないか?
□ グループ会社間の輸送で運賃のやりとりがないか?

上記を確認してもなお判断に迷う場合は、管轄の運輸支局または専門家にご相談ください。

よくある質問

Q. 自社社員をトラックで送迎するのに許可は必要ですか?

自社社員の送迎は、通常は一般旅客自動車運送事業には該当しません。ただし、有償で他社の従業員等を運送する場合などは、道路運送法など別の法令が問題となる場合があります。個別の事情によって判断が異なりますので、不明な場合は専門家にご相談ください。

Q. 知人の引越しを手伝って「お礼」をもらいました。許可は必要ですか?

「お礼」であっても、実質的な対価性があるかどうかで判断されます。少額であっても反復継続的に行っていると事業性が認められる可能性があります。判断が難しい場合は専門家にご相談ください。

Q. 白ナンバーのまま有償で荷物を運んだらどうなりますか?

一般貨物自動車運送事業の許可なしに有償で荷物を運ぶと、貨物自動車運送事業法違反となり、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金(またはその両方)が科せられる可能性があります(貨物自動車運送事業法第70条)。なお罰則規定は改正されることがありますので、最新の条文を必ずご確認ください。「少しくらい大丈夫」という感覚で始めることは避けてください。

Q. 産業廃棄物を運ぶのに運送業許可は必要ですか?

産業廃棄物の収集・運搬には、廃棄物処理法に基づく「産業廃棄物収集運搬業許可」が別途必要です。一般貨物自動車運送事業の許可とは別物ですので、混同しないよう注意してください。

Q. 自社商品を運ぶために緑ナンバーは必要ですか?

自社商品を自社のトラックで運ぶ自家用輸送であれば、原則として一般貨物自動車運送事業の許可(緑ナンバー)は不要です。ただし、他社・グループ会社の荷物を混載する場合や、実質的に運賃を受け取る場合は許可が必要になることがあります。

Q. 建設会社が資材を現場へ運ぶ場合は許可が必要ですか?

自社の資材を自社のトラックで現場へ運ぶ場合は、一般的に自家用輸送として許可不要とされています。ただし、他社の資材を有償で運ぶ場合や、運搬を事業として行う場合は許可が必要になる場合があります。実態に応じて判断されますので、不明な点は専門家にご確認ください。

Q. リース車両でも自家用輸送はできますか?

リース車両であっても、自社の荷物を運ぶ自家用輸送であれば、原則として許可は不要です。ただし、リース契約の内容によっては使用条件が限定されている場合があります。また、リース車両で有償の運送事業を行う場合は、許可の取得と緑ナンバーへの変更が必要になります。

許可が必要かどうか、一緒に確認しましょう

「自分の事業に許可が必要かどうかわからない」という相談を多くいただきます。行政書士あおばと合同事務所では、事業形態をお聞きしたうえで、必要な手続きをわかりやすくご説明します。

初回相談は無料です。

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横山輝明(行政書士あおばと合同事務所)
水道工事13年・古紙回収8年・危険物輸送7年。現場経験28年の運送業専門行政書士。神奈川県・中野区を拠点に全国対応。
note編集部「noteマネー」累計7回掲載。
🌐 https://aobato-office.com/
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