【神奈川】運送業を無許可で始めるとどうなる?3年以下の懲役・300万円罰金も|行政書士が解説

【神奈川】運送業を無許可で始めるとどうなる?3年以下の懲役・300万円罰金も|行政書士が解説

この記事でわかること:

  • 神奈川で運送業を無許可でやると、どんな罰則があるか(条文番号つき)
  • 白ナンバー・緑ナンバーの違いと違法になるケース
  • 軽貨物と一般貨物、どちらの手続きが必要か
  • 2025年6月の法改正で荷主にも罰則が新設されたこと・施行スケジュール
  • 無許可が「バレる」よくある経路
  • 関東運輸局での申請実務のポイント

「とにかく早く始めたい」という気持ちはよくわかります。でも、許可を取らずに運送業をスタートしてしまうと、後から取り返しのつかないことになるケースがあります。

神奈川・横浜・川崎エリアは、首都圏の物流拠点として運送業者の数が多く、関東運輸局による監査や取り締まりの対象にもなりやすい環境です。

この記事では、無許可営業のリスクと具体的な罰則を、できるだけわかりやすくお伝えします。

そもそも「許可が必要な運送業」ってどんな場合?

一般貨物自動車運送事業とは、他人の荷物をトラックで運んでお金をもらう事業です。この事業を始めるには、国土交通大臣の許可が必要です(貨物自動車運送事業法第3条)。

✅ 許可が必要かどうかの目安
  • 他社・他人の荷物を運んでいる(自社貨物ではない)
  • 運賃・料金を受け取っている
  • 繰り返し・継続的に運送している
  • 軽自動車以外のトラックを使っている

※軽自動車・バイクの場合は「貨物軽自動車運送事業」として別途届出が必要です(後述)。

自分の会社の荷物を自社のトラックで運ぶ場合(自家用輸送)は許可は不要ですが、第三者の荷物を有償で運ぶ場合は、原則として許可が必要です。

白ナンバーと緑ナンバーの違い|どちらが必要?

トラックのナンバープレートには「白ナンバー(自家用)」と「緑ナンバー(事業用)」があります。この違いを理解しておくことが、違法にならないための第一歩です。

  • 白ナンバー(自家用):自分や自社の荷物を運ぶための車両。有償での他人の荷物運送は原則禁止。
  • 緑ナンバー(事業用):一般貨物自動車運送事業の許可取得後に使える。他社の荷物を有償で運べる。

白ナンバーで有償運送をしてしまうのは、典型的な無許可営業のパターンです。「緑ナンバーに切り替えていないから大丈夫だろう」という考えは完全に逆で、むしろそれが違法の証拠になります。

許可を取得した後、関東運輸局への申請手続きを経て緑ナンバーへ変更する流れになります。

軽貨物と一般貨物の違い|どちらの手続きが必要か

よく混同されるのが「軽貨物(貨物軽自動車運送事業)」と「一般貨物(一般貨物自動車運送事業)」の違いです。

  • 貨物軽自動車運送事業:軽自動車・バイクで他人の荷物を有償で運ぶ。届出(許可不要)。ただし無届出は100万円以下の罰金。
  • 一般貨物自動車運送事業:普通トラック等で他人の荷物を有償で運ぶ。国土交通大臣の許可が必要。無許可は3年以下の懲役・300万円以下の罰金。

「軽貨物だから届出だけでいい」と思っていたが、実態は普通車・小型トラックを使っていて一般貨物に該当していた——というケースが神奈川でも起きています。使っている車両の種類を必ず確認してください。

また、個人事業主として運送業を始める場合でも、使う車両が普通車以上であれば許可が必要です。

無許可営業の罰則は?条文で確認する

無許可で一般貨物自動車運送事業を営んだ場合の罰則は、貨物自動車運送事業法に明確に定められています。

⚠ 無許可営業に対する罰則(貨物自動車運送事業法第70条第1号)
  • 3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金
  • 悪質と判断された場合は、懲役と罰金の両方が科されることもある(併科)
  • 法人(会社)の場合は、会社に対しても300万円以下の罰金(同法第80条・両罰規定)

「知らなかった」は免責理由になりません。実際に運送して対価を受け取っていた事実があれば、違法状態とみなされます。

名義貸し(ナンバー貸し)も同じく貨物自動車運送事業法第70条の対象です。「許可は持っていないが知人の名義で営業していた」というケースも厳しく処分されます。

2025年6月の法改正:荷主にも罰則が新設|施行スケジュールは?

2025年6月4日、「貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律」が国会で可決・成立しました。この改正には、無許可営業に関して重要な変更が含まれています。

改正法では、無許可事業者(いわゆる「白トラ」)に貨物の運送を委託してはならないことが明記されました。この規定に違反して無許可事業者に荷物の運送を依頼した荷主・元請けには、100万円以下の罰金が科されます。

これまでは無許可の運送業者側だけが罰則の対象でしたが、改正後は荷主・元請け側も責任を問われます

📅 改正法の施行スケジュール(2026年5月時点)

時期 内容 状況
2025年6月4日 改正法 可決・成立 ✅ 成立済み
2025年6月11日 公布 ✅ 公布済み
2026年4月1日 一部先行施行(実運送体制管理簿の作成義務、下請受託原価の明示など) ✅ 施行中
公布から3年以内(2028年6月まで) 荷主・元請けへの罰則(100万円以下の罰金)、許可の更新制(5年ごと)、2次下請け制限など ⏳ 政令・省令に基づき段階的施行中

※荷主・元請けへの罰則を含め、各規定の具体的な適用タイミングは政令・省令に基づき順次施行されます。コンプライアンス体制の早期構築が不可欠です。最新の運用情報は国土交通省・関東運輸局の公式発表をご確認ください。

施行前であっても、大手荷主・元請けはすでに許可確認を厳しくする動きが出ています。神奈川エリアの運送業者も、取引先から許可証の提示を求められるケースが増えています。

無許可営業が「バレる」よくある経路

「監査なんてそうそう来ない」と思っている方も多いですが、実態はそうではありません。神奈川は物流量が多い分、発覚の機会も多いエリアです。

  • 事故:交通事故を起こした際に、車両・保険・事業形態がすべて確認される。許可なしが一気に発覚するパターン。
  • 荷主・取引先からの通報・確認:法改正を受けて、荷主が委託先の許可確認を行うようになっている。許可証の提示を求められて発覚するケースが増加中。
  • 元請け監査の際の書類確認:元請けが自社のコンプライアンス対応で下請けの許可状況を一斉確認するケースがある。
  • 労基署・社会保険関係の調査:労働問題や保険未加入の調査が運輸局との連携につながることがある。
  • SNS・口コミ:「あの業者、緑ナンバーじゃないのに仕事受けてるらしい」という情報が通報につながるケースもある。
  • 運輸局の抜き打ち巡回:神奈川は物流拠点が多く、関東運輸局の巡回指導・監査の頻度が高いエリア。

「バレなければいい」という発想は、事業を長く続ける上で最も危険な考え方です。

無許可営業が発覚するとどうなるか

① 刑事手続きの対象になる

前述の罰則(3年以下の懲役・300万円以下の罰金)の対象となります。起訴・有罪となれば前科がつきます。

② 事業停止命令で営業できなくなる

関東運輸局から事業停止命令が出されると、すぐに運送業務を止めなければなりません。ドライバー・車両・取引先——積み上げてきたものがすべてリセットされます。

③ 荷主・元請けからの取引打ち切り

法改正の影響もあり、荷主・元請けは委託先の許可確認に対してより敏感になっています。無許可が発覚した時点で取引を打ち切られるケースがほとんどです。

④ 金融・リース審査に悪影響

法令違反の前歴があると、金融機関の融資審査や車両リースの審査に響きます。事業拡大のための資金調達が難しくなります。

⑤ その後の許可申請で不利になる

無許可営業の実績がある状態で正式に許可を申請すると、審査に影響する可能性があります。関東運輸局への申請実務においても、過去の法令違反歴は確認されます。

無許可営業のリスク まとめ

  • 3年以下の懲役・300万円以下の罰金(法人も同額の罰金・両罰規定)
  • 関東運輸局からの事業停止命令で営業継続不可
  • 荷主・元請けとの取引打ち切り
  • 融資・リース審査に悪影響
  • その後の許可申請で不利になる可能性
  • 荷主も100万円以下の罰金対象(2025年6月改正・順次施行)

よくある「うっかり無許可」のケース

悪意がなくても、制度を知らないまま違法状態になってしまうことがあります。

  • 軽貨物だと思っていたが、普通車を使っていたため一般貨物に該当した
  • 許可取得前に「試しで」運送業務を始めてしまった
  • 白ナンバー車両で有償運送をしていた
  • 名義貸し(ナンバー貸し)で営業していた
  • 「副業・お手伝い程度」のつもりが「反復継続」と判断された
  • 下請け・孫請けで仕事を受けていたが実態は有償運送だった
  • 個人事業主として独立したが、許可の手続きを省略していた

こんなケースでご相談ください

神奈川で運送業の許可・法令対応に関わる中で、こういった状況の方からのご相談を想定しています。思い当たることがあれば、早めにご連絡ください。

💬 こんな状況ではありませんか?
ケース①

「白ナンバーで配送の仕事をしていたが、元請けから急に『緑ナンバーがないと仕事を出せない』と言われた。今からでも許可は取れるか?」

ケース②

「軽貨物で届出はしていたが、荷物が増えて2トン車も使うようになった。追加で何か手続きが必要か?」

ケース③

「個人事業主として運送を始めたが、許可が必要だと知らなかった。今すぐどうしたらいいか?」
※個人での許可取得は資金要件・運行管理者の確保などハードルが高く、実務上は法人化を検討するケースが多くあります。まず状況を整理し、最適な進め方を一緒に考えます。

どのケースも、早めに動くほど選択肢が広がります。「もう手遅れかも」と感じていても、まず状況を整理することが大切です。関東運輸局への手続きも含めて、一緒に確認します。

現場経験28年の行政書士から

私はトラックドライバーとして28年間現場を走ってきました。危険物輸送の経験もあります。現場を知っているからこそ、「どうすれば許可が取れるか」だけでなく「なぜ許可が必要か」を実感として伝えられます。
許可を取って堂々と走る——それが長く続けられる唯一の方法です。

許可取得の主な要件(関東運輸局管轄)

神奈川・横浜・川崎エリアの許可申請は、関東運輸局(神奈川運輸支局)が管轄します。主な要件は以下のとおりです。

✅ 一般貨物自動車運送事業の主な許可要件
  • 営業所:使用権限のある施設(賃貸でも可)
  • 車庫:営業所に近接し、必要な面積があること
  • 車両:5台以上(霊柩・特定等の例外あり)
  • 運行管理者:資格保有者の選任
  • 整備管理者:資格保有者の選任
  • 資金計画:所要資金の「全額」を自己資金として用意できること(申請から許可まで常時保有が必要)
  • 法令試験:役員等が関東運輸局の試験に合格すること

申請から許可取得まで通常3〜5か月程度かかります。要件が一つでも欠けると審査が通りません。何から準備すべきか、早めに確認することをおすすめします。

📌 この記事のまとめ
  • 白ナンバーで有償運送をするのは違法。緑ナンバーへの変更には許可が必要
  • 軽貨物(届出)と一般貨物(許可)は手続きが異なる。使用車両を確認
  • 無許可営業は3年以下の懲役・300万円以下の罰金の対象(貨物自動車運送事業法第70条)
  • 2025年6月の改正で荷主への罰則(100万円以下の罰金)も新設。順次施行中
  • 発覚経路は事故・荷主確認・元請け監査・巡回指導など多岐にわたる
  • 神奈川・横浜・川崎エリアの申請は関東運輸局(神奈川運輸支局)が管轄
  • 迷ったら早めに行政書士へ相談を

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