ディーラーナンバー(回送運行許可)とは?運送業許可との違いを行政書士が解説

ディーラーナンバー(回送運行許可)とは?運送業許可との違いを行政書士が解説

行政書士あおばと合同事務所 代表行政書士 横山輝明

横山 輝明 行政書士あおばと合同事務所 代表

現場経験28年|運送業許可・巡回指導対策

神奈川県大磯町在住・東京都中野区事務所|首都圏即対応・ 全国対応可

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横山輝明です。運送業許可の相談を受けていると、「ディーラーナンバー」や「回送運行許可」という言葉が出てくることがあります。似たような名前の制度がいくつかあるため、通常の仮ナンバー(臨時運行許可)や、運送業の許可(一般貨物自動車運送事業許可)と混同されやすい分野です。この記事では、ディーラーナンバー(回送運行許可)がどのような制度で、運送業とどう関係するのかを整理しました。

回送運行許可とは

回送運行許可は、車検が切れた自動車や抹消済みの自動車、まだ登録を受けていない新車などを、一定の目的に限って公道で回送できる制度です。この許可を受けられるのは、自動車の「製作」「陸送」「販売」「特定整備」を業として行う者に限られており、その業務を遂行するための回送でなければ対象になりません。

回送運行許可を受けると、通常のナンバープレートとは別に、赤い枠が入った「回送運行許可番号標」(一般に「ディーラーナンバー」と呼ばれます)が交付されます。このナンバーを取り付けた車両でのみ、許可された目的・区間の回送を行うことができます。街中で新車を運んでいるトラックや、赤枠のナンバーを付けた車両を見かけたことがある方もいるかもしれませんが、それがまさにこの制度に基づくものです。

具体的には、次のような回送目的が対象になります。

  • 製作:自己の製作工場とテストコース、車体架装工場、自動車置場との間の回送
  • 陸送:委託者から指示を受けた場所間の回送
  • 販売:自己の営業所と仕入先、納品先、自動車置場、車体架装工場、改造作業工場、整備工場、展示場、顧客所在地、運輸支局との間の回送
  • 特定整備:車検のための引き取り・引き渡し、車検場までの回送

一般的に知られている「仮ナンバー」(臨時運行許可)は、市区町村の窓口で個別に申請する制度であるのに対し、回送運行許可(ディーラーナンバー)は、上記4分野の事業者が、決められた目的に応じた回送を業務として継続的に行う際に利用する事業者向けの許可制度です。この点で、両者は似ているようで対象や申請の仕組みが異なります。

ポイント:ディーラーナンバー(回送運行許可)は「製作・陸送・販売・特定整備」を業として行う者に限られる許可です。運送業(貨物を有償で運ぶ事業)そのものを行うための許可ではないため、この点を混同しないよう注意が必要です。

運送業許可とは別の制度である点に注意

回送運行許可は、あくまで「車両を移動させるための走行」に関する許可です。これに対して、一般貨物自動車運送事業許可(いわゆる運送業許可)は、「有償で他者の荷物を運ぶ事業」そのものに対する許可です。両者は目的も対象事業者も異なるため、片方を持っていれば他方が不要になる、という関係ではありません。

例えば、車両の陸送を業として行う事業者が回送運行許可(ディーラーナンバー)を活用して車両を移動させる場合であっても、その事業者が別途、荷主から有償で貨物を運ぶ事業を行うのであれば、一般貨物自動車運送事業許可は別途必要になります。この2つの制度を混同すると、必要な許可を取得しないまま事業を進めてしまうリスクがあります。

申請の流れ

回送運行許可(ディーラーナンバー)を受けるには、主たる営業所の所在地を管轄する運輸支局または自動車検査登録事務所(登録部門)に対して、回送運行許可申請書を提出します。具体的な必要書類や審査の流れは、申請先の運輸支局・自動車検査登録事務所によって案内が異なるため、事前に問い合わせて確認することをお勧めします。

どのような事業者が回送運行許可を必要とするか

回送運行許可(ディーラーナンバー)は、製作・陸送・販売・特定整備のいずれかを業として行う事業者が対象です。通常の貨物運送のみを行う事業者では、必要となる場面は多くありません。ただし、運送会社が新たに車両陸送事業や新車輸送を始める場合など、事業内容によっては必要になることもあります。

そのため、「運送業を始めたい」という相談の中でディーラーナンバーの話が出てくる場合、実際に必要なのは通常の仮ナンバー(臨時運行許可)や、一般貨物自動車運送事業許可であることが多く、回送運行許可そのものが必要になるのは、上記4分野に該当する事業形態の場合に限られます。ご自身の事業がどちらに該当するか、事前に整理しておくことをお勧めします。

現場経験28年からのチェックポイント

水道工事・古紙回収・危険物輸送と、いろいろな車両に関わってきた立場から言うと、名前が似ている許可制度は、当事者が混同したまま話が進んでしまうことが少なくありません。臨時運行許可・回送運行許可(ディーラーナンバー)・一般貨物許可は、それぞれ申請先も対象も違うため、「とりあえず動かせればいい」という考えで進めると、必要な許可を取得しないまま事業が進んでしまうことがあります。まずは「自分の事業が製作・陸送・販売・特定整備のどれに当たるのか」「それとも運送業そのものなのか」を整理してから、必要な許可を確認することをお勧めします。

よくある質問

  • Q. ディーラーナンバーがあれば運送業許可は不要ですか?
    A. いいえ。回送運行許可(ディーラーナンバー)は車両の移動に関する許可であり、有償で貨物を運ぶ事業には別途、一般貨物自動車運送事業許可が必要です。
  • Q. 仮ナンバーとディーラーナンバーは同じものですか?
    A. 目的は似ていますが、対象となる事業者や申請の仕組みが異なる別の制度です。個別の状況に応じて、どちらが必要か確認する必要があります。
  • Q. 一般的な運送業者にもディーラーナンバーは必要ですか?
    A. 製作・陸送・販売・特定整備のいずれかを業として行う場合に限られる許可のため、通常の貨物運送のみを行う事業者では、必要となる場面は多くありません。

ディーラーナンバー(回送運行許可)は、対象となる事業者が「製作・陸送・販売・特定整備」の4分野に限定される、独自の位置づけを持つ制度です。運送業許可とは目的も対象も異なるため、事業の実態に応じて、どちらの許可が必要なのかを早い段階で整理しておくことをお勧めします。

参考資料

国土交通省(関東運輸局)「自動車の回送運行について」
https://wwwtb.mlit.go.jp/kanto/jidou_gian/touroku/kaisou_unkou.html

国土交通省(近畿運輸局)「自動車の回送運行許可」
https://wwwtb.mlit.go.jp/kinki/content/000296293.pdf

運送業に関する許可制度について、お気軽にご相談ください。

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