TRANSPORT LICENSE GUIDE
目次
利用運送事業の許可って何?
運送業専門の行政書士が
「知らなかった」をぜんぶ解説します
横山輝明 / 行政書士あおばと合同事務所
横山輝明です。
「荷物は自分のトラックで運ばず、他の運送会社に頼んでいるんですが、許可とか必要ですか?」
こういう話、けっこうあります。結論から言うと、利用運送事業に該当する場合は登録や許可が必要です。それが貨物利用運送事業の登録・許可です。
「自分で運んでいないから許可はいらない」と思っていた方、ちょっと待ってください。この記事を読んでから判断してください。
① 利用運送事業とは何か
簡単に言うと、「自分は運ばないけど、運送を引き受ける」ビジネスです。
お客さんから「荷物を運んでほしい」と依頼を受けて、実際の輸送は別の運送会社(実運送事業者)に任せる。この「間に入る」役割が利用運送です。フォワーダーや混載業者がイメージしやすいかと思います。
🔧 現場28年チェックポイント
「うちは下請けに丸投げしているだけだから関係ない」と思っていた事業者さんも、お客さんから直接運賃をもらっているなら利用運送に該当する可能性があります。「運ぶ」かどうかではなく、「運送を引き受けたかどうか」が判断のポイントです。
② 第一種と第二種、何が違うの?
貨物利用運送事業には2種類あります。ここ、ちゃんと区別しないと申請窓口が変わるので注意です。
🟢 第一種貨物利用運送事業
実運送事業者を利用して輸送のみを行う。多くの中小事業者が該当するのはこちらです。
手続き:地方運輸局への「登録」
🟡 第二種貨物利用運送事業
幹線輸送+集荷・配達まで一貫して行う(宅配便のような形態)。
手続き:地方運輸局への「許可」(登録より要件が厳しい)
| 区分 | 内容 | 手続き |
|---|---|---|
| 第一種 | 輸送のみ(集荷・配達なし) | 登録 |
| 第二種 | 集荷〜幹線〜配達まで一貫 | 許可 |
③ 登録・許可の要件
第一種(トラック)の登録要件を中心に解説します。一般貨物自動車運送事業許可と比べると、車両や車庫の要件がない分ハードルは低めです。
① 欠格要件に該当しないこと
過去に許可取消等を受けた経緯がある場合は、事前確認が必要です。
② 営業所があること
使用権原のある施設が必要です(賃貸でも可)。
③ 損害賠償能力があること
保険加入などで担保します。
④ 財産的基礎があること
決算内容・資金計画・債務超過の有無などから総合的に審査されます。自己判断はお勧めしません。
🔧 現場28年チェックポイント
「車を持っていないから許可は簡単だろう」という思い込みで申請準備を始めると、財産的基礎の審査で詰まるケースがあります。決算書を手元に置いて、事前に確認するのが先決です。
④ 申請の流れ(第一種・トラックの場合)
申請先は地方運輸局です。補正対応が発生することもあるので、時間に余裕を持って動くのが鉄則です。
要件確認
欠格要件・財産的基礎・営業所の確認。決算書・登記簿謄本を手元に用意しておく。
書類作成
登録申請書・事業計画書・宣誓書・損害賠償能力を証明する書類等を準備。
地方運輸局へ申請
申請方法は地方運輸局の案内に従う。補正対応が発生することもあるので余裕を持って。
審査
標準処理期間は地方運輸局によって異なりますが、数か月程度を要することがあります。
登録通知・事業開始 🎉
通知書が届いたら事業開始できます。必要に応じて運賃料金に関する届出等の手続も行います。
⑤ よくある「知らなかった」パターン
現場に長くいると、こういう話が出てきます。
🔧 現場28年チェックポイント
無登録で貨物利用運送事業を営んだ場合は、貨物利用運送事業法に基づく罰則や行政上の措置の対象となる可能性があります。「知らなかった」は通りません。気になった方は早めに確認してください。
⑥ 迷ったら相談してください
「自分のケースが第一種か第二種かわからない」「そもそも登録が必要なのか判断できない」という方は、まず確認することをお勧めします。
危険物輸送を含む現場に28年いたので、許可の条文だけでなく「現場でどういう動き方をしているか」を聞きながら判断することができます。机の上だけで考えていると見落とすことが、現場の話を聞くと見えてくることがあります。
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