運送業の事業報告書・実績報告書の書き方【神奈川版】毎年の義務を現場28年の行政書士が解説

運送業の事業報告書・実績報告書の書き方【神奈川版】毎年の義務を現場28年の行政書士が解説

横山輝明(テル)です。

「そういえば去年も出した気がするけど、あれ何の書類だっけ?」

運送業の許可を持っている会社が毎年やらないといけないことのひとつが、事業報告書と実績報告書の提出です。

許可を取るときはあんなに書類を揃えたのに、許可が下りたあとの義務はわりと忘れられがちです。でも、提出義務に違反した場合、監査や行政指導の対象となり、内容によっては行政処分等につながる可能性があります。

2つの報告書の違い・書き方・提出先を整理しました。

📋 この記事の目次

  1. 事業報告書と実績報告書の違い
  2. 事業報告書の書き方・提出期限
  3. 実績報告書の書き方・提出期限
  4. 提出先(神奈川の場合)
  5. 現場28年チェックポイント
  6. よくある質問

1. 事業報告書と実績報告書の違い

まずここを整理しておきましょう。名前が似ていて混同しやすいですが、別の書類です。

  事業報告書 実績報告書
何を報告するか 事業の財務状況(損益・貸借対照表等) 輸送の実績(走行距離・輸送量・労働時間等)
対象期間 各社の事業年度 毎年4月1日〜翌年3月31日(暦年ではなく年度)
提出期限 事業年度終了後100日以内 毎年7月10日まで
根拠法令 貨物自動車運送事業法 第60条・貨物自動車運送事業報告規則 貨物自動車運送事業法 第60条・貨物自動車運送事業報告規則

💡 ポイント

事業報告書は「会社のお金の話」、実績報告書は「どれだけ走ったかの話」とざっくり覚えておくと混同しにくいです。どちらも毎年必ず提出が必要です。

2. 事業報告書の書き方・提出期限

提出期限

提出期限

事業年度終了後 100日以内

3月31日が事業年度末の会社であれば、7月10日が提出期限の目安となります。事業年度が異なる場合は、自社の事業年度終了日から100日を数えてください。

主な記載項目

書類名 内容・注意点
事業報告書(表紙・概況) 会社の基本情報・事業の概況を記載
損益明細表 運送事業に係る収入・費用の内訳。勘定科目の分類に注意
人件費明細表 運転者・運行管理者等の人員数・給与等を記載
財務諸表(貸借対照表・損益計算書) 決算書の写しを添付するケースが多い。税理士との連携が必要な場合あり
事業実績(輸送量・従業員数等) 実績報告書と一部重複する項目あり

⚠️ 運送業以外の事業も兼業している場合

事業報告書に記載するのは運送事業に係る部分のみです。他業種の売上・費用が混在しないよう、経理上の区分が必要になります。税理士と連携して整理しておくことをおすすめします。

3. 実績報告書の書き方・提出期限

提出期限

提出期限

毎年 7月10日 まで

対象期間は前年4月1日〜当年3月31日。事業年度に関係なく毎年7月10日が期限です。事業年度が12月末の会社でも、実績報告書は7月10日に提出します。

主な記載項目

項目 内容・注意点
輸送量(トン数・トンキロ) 日報・運転記録から集計。抜け漏れに注意
走行距離(実車・空車) 運行記録計(タコグラフ)のデータを活用
輸送回数 積み地ごとの集計が必要になる場合あり
従業員数・労働時間 運転者・その他に分けて記載
事故件数 対人・対物を区別して記載

4. 提出先(神奈川の場合)

📍 神奈川運輸支局(関東運輸局)

〒221-0052 神奈川県横浜市神奈川区東神奈川2-10-4

受付時間等は変更になる場合があります。事前に公式サイトをご確認ください。

関東運輸局|貨物自動車運送事業(手続き案内)→

💡 郵送・電子申請の可否

提出方法(窓口・郵送等)は変更される場合があります。最新の取扱いは神奈川運輸支局へ事前にご確認ください。

🔧 現場28年チェックポイント

毎年この時期になると「あれ、今年まだ出してない」という会社が出てきます。よくある落とし穴を3つ。

① 2つの締め切りを混同する

事業報告書(事業年度終了後100日以内)と実績報告書(毎年7月10日)は期限が別です。「7月10日に両方出せばいい」という会社もありますが、事業年度によっては事業報告書の期限が先に来ます。自社の事業年度を確認してください。

② 日報・運転記録を年間通して保管していない

実績報告書に必要なデータ(走行距離・輸送量)は、日常の運転記録から集計します。年度末にまとめて集計しようとしても、記録が残っていなければ書けません。日頃からの記録管理が大前提です。

③ 「去年と同じでいいか」で出してしまう

車両台数・従業員数・事業規模が変わっているのに、前年の数字をそのまま転記するミスがあります。実態と大きく乖離した内容を出すと、巡回指導で指摘される可能性があります。毎年必ず実数で記載してください。

よくある質問

Q. 提出しなかった場合はどうなりますか?

報告書の不提出・虚偽記載は、行政処分の対象となる可能性があります。また、巡回指導での指摘事項にもなります。期限内の提出を心がけてください。

Q. 書式(様式)はどこで入手できますか?

関東運輸局のウェブサイトまたは神奈川運輸支局の窓口で入手できます。様式は変更される場合があるため、最新版を使用してください。

Q. 許可を取ったばかりで、まだ1年経っていない場合は?

許可後、最初の提出義務が発生するタイミングは事業年度・許可時期によって異なります。許可取得後に管轄運輸支局または専門家へ確認しておくことをおすすめします。

Q. 行政書士に頼めますか?

行政書士は、官公署へ提出する書類の作成や提出手続の代理等についてご相談・ご依頼いただけます。財務諸表の作成は税理士の業務範囲になりますので、両者と連携して進めるのが一般的です。

📋 報告書の書き方、一緒に確認しませんか?

「この項目、何を書けばいい?」「去年の書類と見比べたい」

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※本記事は公開日時点の法令・行政運用に基づき作成しています。制度改正等により内容が変更される場合があります。提出の際は最新情報をご確認ください。

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