横山輝明です。
「運送業の許可申請、自分でできますか?」
この質問、よくいただきます。
もちろん、自分で申請することはできます。
ただ、実際に最後までスムーズに進むかは別問題です。
現場で28年働き、今は行政書士として運送業の許可申請に携わっています。水道工事・古紙回収・危険物輸送と現場をわたり歩いてきた人間が、リスクと現実をそのままお伝えします。
なお、行政書士に依頼するメリットや事務所の選び方については、別記事で詳しく解説しています。
👉 運送業許可を行政書士に依頼するメリットと失敗しない事務所選びのポイント
自分で申請する人が増えている理由
費用を抑えたい。ネットで調べれば情報も出てくる。「自分でできるかもしれない」と思うのは自然なことです。
実際、チャレンジする方は増えています。ただ、途中で行き詰まって相談に来るケースも少なくありません。
なぜそうなるのか。その理由を、現場目線でお伝えします。
最大のリスクは「時間の損失」
運送業許可の申請に必要な書類は、数十種類に及びます。
事業計画書、資金計画書、営業所・車庫の図面、賃貸借契約書、残高証明書——これらを法律の要件と照らし合わせながら、不備なく揃えなければなりません。
書類に不備があれば、補正を求められます。
修正して提出し、また修正する。
その繰り返しになることも珍しくありません。
「運輸支局に6回行くことになった」という話は珍しくありません。
一つ知っておいてほしいのは、審査期間(標準処理期間)は書類が「受理」されてからカウントが始まるということです。補正に費やした時間は含まれない。
本来その時間を使うべきは、荷主の確保であり、ドライバーの採用です。書類作成に追われて営業活動が止まってしまう。これが目に見えない最大の損失です。
知らずに踏む致命的な地雷
専門知識がないまま進めると、後から取り返しがつかない問題に直面することがあります。
場所の要件
営業所や車庫は、「借りられればどこでもいい」というわけではありません。
都市計画法や建築基準法、農地法など、複数のルールを満たす必要があります。
「自宅を営業所にしようとしたら、用途地域の制限で使えなかった」「借りた車庫の一部が農地だった」——これらは後から気づいても修正できない致命的な問題です。物件を決める前に確認しておかないと、すべてやり直しになります。
資金要件
資金要件も、「お金があれば大丈夫」という話ではありません。
資金計画や残高証明の取得時期についても注意が必要です。申請時期や審査の流れを踏まえて準備する必要があります。「申請日に残高があればOK」と思って失敗するケースが多い。
車庫の面積
車両1台あたりの面積に加え、収容台数に応じた余剰スペースが必要です。車庫を借り直すことになれば、時間も費用も余計にかかります。
役員法令試験という壁
運送業許可には、常勤の役員が「法令試験」に合格する必要があります。
所定の受験機会で合格できない場合は、再申請が必要になります。出題範囲は貨物自動車運送事業法・道路運送法・労働基準法など多岐にわたります。しっかりした準備が必要です。
現場28年だから分かること
私が運送業の現場にいたのは28年間です。
水道工事・古紙回収・危険物輸送と渡り歩いてきた中で、運送業の「許可を取ってからが本番」という現実を肌で知っています。
変更届の出し忘れ・車両の増減・営業所移転……これらの手続きを怠ると、巡回指導で指摘を受けたり、内容によっては監査や行政処分につながることがあります。
私の強みは、書類だけではなく、現場を知っていることです。「この車庫で申請できるか」「この資金計画で大丈夫か」——そこまで含めて相談できるかどうかが、依頼先を選ぶ上で重要なポイントです。
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